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13.スポーツクライミング選手の足に生じた『タコ』

スポーツ選手は時として私たちに大きな感動と希望を与えてくれます。去年のサッカー女子WCではなでしこジャパンが優勝。東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地に大きな希望と感動を与えてくれました。また最近では、残念ながらロンドン五輪代表からは外れてしまいましたが、公務員ランナーの川内選手の激走ぶりは記憶に新しい所ですね。

そんな希望と感動与えてくれるスポーツ選手達ですが、それは日々のたゆまぬ努力があってこそ。その陰には人には言えない様々な苦労や悩みがあります。特に身体に関しては競技成績やパフォーマンスに影響を及ぼすため深刻です。

ではそろそろスポーツクライミングに話しを移しましょう。

個人的なお話しで恐縮ですが、現在私はスポーツクライミングと言うスポーツにフィジカルトレーナーとして関わらせて頂いています。いささかマイナーなスポーツですが、2020年のオリンピック種目候補にも挙がっていますのでご存じの方もいらっしゃるでしょうか。

≪写真;競技用人工壁 高さ20m  プロクライマー 松島選手≫

さてこのスポーツ、競技特性上特殊な形のシューズを履きます。

下の写真がそれです。

これがシューズ?

と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは岩やホールドと呼ばれる手掛り足がかりの僅かな出っ張りや窪みに滑らず足先を載せるために進化した結果です。ですからつま先の形も尖っているのです(赤○)。

ちなみにこのシューズは上級者用のもので、この他にも幾つかの形状があります。

さてこのシューズ、形もさることながらその選び方も特殊。

下の次の写真を見てください。

*上記写真:別冊山と渓谷『クライミング ジョイ』No2 spring&summer issue apr2009 P014より転載

通常靴選びは自分の足のサイズよりも若干大きめを選びますよね。

ところが、スポーツクライミング用シューズは自分の足のサイズよりも小さいものを選びます。

ですからシューズの中の足は…。

≪写真;シューズの中の足の形≫

*上記写真;別冊山と渓谷『クライミングジョイ』NO4 spring&summer issue apr.2010 P074

これが最もスポーツクライミングに適したシューズです。

これまで私がお話ししてきた靴選びとは全く逆ですね。

最も足に悪い靴が、スポーツクライミングにとっては最も適したシューズとなります。

では、この様なシューズを履いているスポーツクライミング選手の足はどうなっているのかと言うと…。

≪足指関節の指背部分に生じたタコ≫

≪足指関節の指背部分に生じたタコ≫

≪小指の外側面のタコ≫

上の3枚の写真は、東京都所属のある女性ユースクライミング選手の足です。

赤丸の部分にタコが幾つもあるのがお分かりいただけると思います。

我々から見ると‘痛そぉ〜’何て思ってしまいますが、当のご本人によれば痛みは全くないとのこと。

それにしても女性ユース選手といえば花も恥じらう女子高生。

これからの季節、裸足でサンダルやミュールを履くのに気にならないのかなぁ…。何て要らぬ心配をしてしまうのですが、当の本人はぜ全く気にしていない様子。

今回も足のタコ撮らせてとお願いしたら‘エ〜ッ’何て言いながら靴下を脱いで撮影させてくれました。

ありがとうございました!

タコもスポーツクライミング選手にとってはある意味勲章みたいなものかもしれないですね。

では突然ですがここで質問です。

皆さんこのタコ、‘取った方が良い’それとも‘取らない方が良い’どちらだと思われますか?

‘そりゃタコは取った方が良いでしょ!’と多くの方は思われるのではないでしょうか。

で、答えは…。

その答えを導き出すには、そもそもこのタコが何故出来たのか考える必要があります。

以前お話ししたように、タコは特定の部位に持続して加わる圧迫や摩擦から体を守ろうとする防御反応の一つです。

つまり、この場合はスポーツクライミングと言う競技特性上必要な小さいサイズのシューズを履くことによって、最も強い圧迫や摩擦が生じた足指関節の背側、小指の外側面にタコが必然的に生じたものと考えることが出来ます。

と言うことで、答えは基本的には‘取らない方が良い’と思います。

ではそれは何故か?

それは取った場合に選手としての立場から考えると以下の2つの弊害が起こる可能性があるからです。

タコを取ることによってそれまでタコがクッションの役割となり防がれていた摩擦や圧迫が足に伝わり易くなり痛みが生じる可能性がある。

足部の感覚が変化する可能性がある。

‘選手としての立場’とあえて前置きしたのには訳があります。

選手としてスポーツを行うからには、競技成績を残さなければならないからです。それを考えると上記の2点はパフォーマンスを変化させ、競技成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

さて、ここまで取ることによって起こる弊害についてお話ししました。しかし、もちろん例外もあります。

それはどの様な場合か?

タコって肥厚(厚く)してくると気になるものですよね。肥厚し過ぎて気になってしまい、競技に集中出来なかったり、競技成績に影響が出るようであれば削ったほうが良いと思います。ただこの様な場合でも、一度に全部削り取ってしまうような事は絶対に避けるべきです。シューズとの‘当たり’を見ながら少しずつ削るようにしてください。間違っても全て削るような事はしないでください。

今回スポーツクライミング選手の足に生じたタコについてお話しましたが、このことは他の競技にも言えることだと思いますので留意頂ければと思います。

大切なことは、タコが出来たから取ると言うのではなく、前述の取ることによって生じる弊害を知った上で対処する事です。

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